X(旧Twitter)上で注目を集めている「LINEビデオ通話中に、自分が直前まで見ていたWebサイトのリンクが、相手の画面にも表示されてしまう」という投稿に、多くのユーザーが驚きや動揺を隠せず、不安の声が広がっています。
とくに、個人的な趣味や閲覧履歴が関係する場合、たとえばpixivやYouTubeなどのコンテンツを見ていた直後に家族や知人とビデオ通話を開始すると、見られるつもりのなかった情報が意図せず共有されてしまう可能性があるという懸念が持たれています。
このような予期せぬ情報の露出が、一部のユーザーにとってはプライバシー上の重大な問題に感じられているのです。
この記事では、話題となっているこの現象が一体どのような仕組みで発生しているのか、実際にどこまでの情報が相手に共有されてしまうのか、そしてそれを防ぐ方法について、技術的な背景を踏まえながらできるだけ丁寧に、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
また、iPhoneとAndroidの違いや、実際にこの機能を体験したユーザーの報告、さらにはAppleやLINEの仕様説明もあわせて紹介することで、「なぜこんなことが起きるのか?」という疑問に納得できるような形でお応えします。
結論:仕様によるもので、iPhone(iOS)のSharePlay機能と連動しています
この現象は、別に不具合やバグではなく、じつは技術的には「正常な動作」として発生しているものとされています。
これは、Appleが提供している「SharePlay(シェアプレイ)」という同時観視技術と、LINEの「みんなで見る(Watch Together)」というコンテンツ共有機能が連携していることによって起こっており、別の視点から見れば、便利性を高めるための仕組みとも言えます。
つまり、ユーザー側がしっかりした設定をしていれば防ぐことも可能であり、むしろ意図的に「同じコンテンツを通話中に見るための機能」としての利用を目的としたものだともいえます。
したがって、これを「不欲意の悪意のない悪さ」と受けとるよりも、別の意図で仕組まれた機能と理解した上で、自分に合った設定をすることで、不安や無駄な不便を乗り越えられるといえるでしょう。
現象の具体的内容
- 対象機能:LINEのビデオ通話(音声通話では発生しません)
- 再現条件:
- iPhoneを使用している
- LINEでビデオ通話を開始
- 通話前または通話中にYouTubeやWebサイトを開いた(またはリンクをコピーした)
- 表示されるもの:
- 通話中の画面下部に、直前に開いたURLやYouTube動画のリンクが、帯状に候補として表示される
- 表示されるのは最大3件ほど
- 相手側にも同じように表示される
※自動的にトークに送信されるわけではなく、相手がタップして再生しない限りは再生されません。
なぜリンクが表示されるの?
AppleのSharePlayとは
iOS15以降に追加されたSharePlay機能は、Appleが提供する同時視聴機能で、FaceTimeなどのビデオ通話中に、映画や音楽、YouTube動画などのメディアを友人や家族とリアルタイムで一緒に楽しむことができるという便利な機能です。
これにより、通話しながら同じコンテンツを再生し、リアルタイムで反応を共有できるため、遠距離にいる人ともまるで一緒に視聴しているかのような体験が可能になります。
このSharePlayは、LINEなどの一部サードパーティアプリにも対応しており、特にLINEではこの仕組みが応用されて、「最近再生したメディア」や直前にアクセスしたWebリンクなどが、通話中の画面に提案として表示される仕様になっています。
これは一見すると便利なようですが、意図せず相手にも見えてしまうことがあるため、驚かれるユーザーも少なくありません。
LINEの「みんなで見る」機能
また、LINEには独自に「みんなで見る(Watch Together)」という機能があり、これはYouTubeなどの動画を通話相手と同時視聴するために用意されたものです。
通話中に「みんなで見る」を開始すると、双方の画面に同じ動画が再生され、コメントしながら視聴できるようになっています。
この機能がSharePlayと連動して動作することで、LINEビデオ通話時に、直前に自分が見ていた動画やWebサイトのリンクが自動的に画面下部に候補として表示されるという挙動が発生します。
これらは最大3件ほど表示され、タップすれば即座に再生されるという設計ですが、設定によって表示をオフにすることも可能です。
対象となるのはiPhoneのみ?
はい、Android端末ではこの現象は基本的に起こりません。
これは、AndroidにはAppleのSharePlay機能がそもそも搭載されておらず、同様の機能も標準で用意されていないためです。
そのため、LINEビデオ通話中に「直前に見ていたWebサイトや動画リンクが画面下に表示される」といった動作は、Androidユーザーには発生しません。
また、LINEの「みんなで見る」機能自体はAndroidでも利用できますが、リンクを自動で候補として表示する仕様については、iOSのSharePlayとの連携によって初めて実現しているため、Android単体では再現されにくい構造となっています。
よって、Androidユーザーにとっては、今回話題となったリンク自動表示の懸念は基本的に不要であり、設定などを気にせずそのまま通話を楽しむことができます。
安心ポイント:共有されるのは「履歴」ではなく「提案」
出てくるリンクは、あくまで「提案」として表示されているだけであり、以下のような制限があります:
- 勝手に相手に再生されるわけではない(相手が自分の画面で表示されるリンクをタップしない限り、動画やサイトは再生されない設計になっています)
- トークルームに自動送信されるわけでもない(リンクがLINEのチャット欄に勝手に貼られることはありません)
- 閲覧履歴全体が見えるわけではない(あくまで通話前後にアクセスしたごく最近の数件のみが対象で、過去の履歴が一覧として見られるようなことは一切ありません)
防止するにはどうすればいい?
iPhoneユーザー向け:SharePlayをオフにする
- 「設定」アプリを開く
- 「FaceTime」をタップ
- 「SharePlay」をタップ
- LINEのスイッチをオフにする
これで、LINEでのSharePlayが無効になり、通話中にリンクが表示されなくなります。
その他の予防策
- LINE通話前に、YouTubeやWebサイトのタブを閉じる
- リンクをコピーしない(コピー直後に通話画面へ戻ると表示されやすい)
- 画面共有をオンにしない(明示的に共有しない限り相手には見えません)
よくある質問(Q&A)
Q. 親や友人に見られてしまったかも…?
A. 可能性はありますが、タップされていなければ再生はされていません。
提案リンクとして表示されていても、実際に動画やページが開かれるには相手側が自らそのリンクをタップする必要がありますので、自動で再生されたり、意図せず閲覧されたりすることはありません。
また、相手側にも同様に「最近見たリンク」が表示されている可能性があるため、「一方的に見られた」と感じるケースばかりとは限りません。
お互いの端末に似たような提案リンクが表示されている状態であることも多く、片方だけが一方的に不利益を受ける状況とは考えにくいとされています。
特にiOS同士の通話では、双方に対してこの機能が同じように働いています。
Q. 通話相手がAndroidならどうなりますか?
A. 相手がAndroid端末なら、そもそもこのリンク表示はされません。
AndroidではSharePlayが実装されておらず、LINEの「みんなで見る」機能もiOSほど自動連携されないため、iOS間の通話でのみ起こる現象だと理解されています。
まとめ
- この現象はバグではなく、iOSのSharePlay機能とLINEの共同視聴機能の仕様によるものです。これらの機能は、ユーザーが通話中に一緒に動画などのコンテンツを楽しめるようにするために設計されたものであり、本来は利便性の高い機能です。ただし、その設計によって一部のリンク情報が通話画面に表示されるという動作が意図せずユーザーの不安を招いてしまうケースがあります。
- iPhoneユーザーがLINEビデオ通話時に、通話直前に見ていたリンク(YouTubeやWebサイトなど)が自動的に画面下部に「候補リンク」として表示されることがあります。これにより、通話相手とそのコンテンツを共有しやすくなっている一方、見られることを想定していなかった閲覧内容が含まれていると、思わぬトラブルの原因にもなりかねません。
- 設定を変更すれば防止可能です。具体的には、iPhoneの「設定」からSharePlayを無効にすることで、これらの提案リンクが通話中に表示されるのを防ぐことができます。加えて、LINEアプリ内の設定で「みんなで見る」機能を利用しないように意識することも有効です。
- また、AndroidではそもそもSharePlayが実装されていないため、同様の現象は発生しません。つまり、Androidユーザーはこの自動リンク表示の影響を受ける心配がないという点で安心です。
- 見られたくないリンクが表示されることを防ぐには、通話前に閲覧中のWebページや動画アプリを終了しておく、またはクリップボードにリンクをコピーしたままにしないといった配慮も有効です。加えて、通話に入る前に一度アプリを閉じることで、過去の履歴が表示される可能性を抑えることができます。
焦らず、設定を確認して安全に通話を楽しみましょう