Nintendo Switchの最新アップデート(バージョン20.0.0)によって、新たに「バーチャルゲームカード」という注目の機能が追加されました。
この機能は、ダウンロードソフトをパッケージ版のように扱えるようになるというもので、ゲーム管理の方法に大きな変化をもたらしています。
デジタルソフトを“カード”感覚で管理できる
これまでダウンロードソフトはHOMEメニューにアイコンが並ぶ形式で表示されていましたが、今回の機能追加により、それぞれのソフトが“バーチャルカード”として一覧化され、まるで実物のゲームカードのように整理・管理できるようになりました。
この変更により、ソフトの視認性や操作性が向上し、特に複数のタイトルを所有しているユーザーにとっては非常に便利な仕組みとなっています。
利用の準備と基本操作方法
バーチャルゲームカードを使用するには、まずSwitch本体をシステムバージョン20.0.0以降にアップデートする必要があります。
アップデート完了後、HOMEメニューに「バーチャルゲームカード」の項目が追加され、購入済みのダウンロードソフトや追加コンテンツが表示されるようになります。
ただし、表示対象はあくまでダウンロード版に限られ、パッケージソフトは対象外となる点に注意が必要です。
アップデートをしていないと「バーチャルゲームカードを持っていません」というメッセージが表示されますが、その際の対応についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ゲームの起動には「セット」操作が必要
バーチャルゲームカードでソフトを遊ぶには、まず該当のカードをプレイする本体に“セット”する必要があります。
この操作は、従来の物理ゲームカードを挿し込む感覚に近いもので、HOMEメニューやカード一覧から対象ソフトを選択して「この本体にセットする」と設定すれば完了です。
なお、複数のタイトルを一括でセットすることも可能で、一覧画面でXボタンを押すことでまとめて操作できます。
セット時にはインターネット接続が必要ですが、一度セットすればオフラインでもプレイ可能です。
外出先からも操作可能|スマホ・PCに対応
この新機能は、Switch本体を直接操作しなくても、スマートフォンやパソコンからソフトのセット操作を行うことができます。
Nintendoアカウントの専用ページにアクセスしてソフトを選び、「本体にセットする」を選択すれば、スリープ中の本体にも反映されます。
出先からゲームの準備をしておけば、帰宅後すぐに遊べるのは大きなメリットでしょう。
複数台での利用とペアリングの仕組み
同じNintendoアカウントを使っていれば、最大2台のSwitchでバーチャルゲームカードを共有することができます。
ただし、2台目の本体で初めて使用する際は、1台目とのペアリング作業が必要になります。
この作業はローカル通信を利用して行い、両方の本体を近くに置いてセットアップする必要があります。
注意点として、一度に同じゲームカードを2台で使うことはできません。
片方にセットすると、もう一方からは自動的に外れる仕組みです。
ファミリーメンバーとのソフト共有も可能
バーチャルゲームカードでは、ファミリーアカウント内のユーザーにダウンロードソフトを「貸し出す」ことができます。
貸し出し期間は最大14日間で、貸された側はその間、通常通りプレイが可能です。
セーブデータも保持されるため、返却後に再び借りるか、正式に購入することでプレイを再開できるのも魅力的なポイントです。
ただし、この機能はファミリーグループ内に限られ、友達や他ユーザーとは共有できません。
ソフトの整理も簡単に
バーチャルゲームカードには、使用頻度の少ないソフトを非表示にする機能もあります。
リストから非表示にすることで表示をスッキリ保つことができ、必要に応じて「非表示リスト」から再度表示させることも可能です。
従来のオンラインライセンス機能も利用可能
これまで利用されてきた「オンラインライセンス」による認証方式も、引き続き利用可能です。
ユーザー設定からオンラインライセンスの有効化ができるため、旧来の操作に慣れている方は、従来どおりの手順でプレイすることもできます。
複数台での同時プレイはどうなった?
今回のアップデートで最も注目されたのは、1本のソフトを使った「複数台同時起動」の制限についてです。
かつては、「いつもあそぶ本体」として設定された本体と、購入者アカウントでログインした本体を使うことで、1本のダウンロードソフトを2台のSwitchで同時に利用することが可能でした。
家族や兄弟で一緒に遊ぶ際、この方法は非常に重宝されていました。
しかし、バージョン20.0.0以降では、この使い方が実質できなくなったという報告が多く寄せられています。
「バーチャルゲームカード」も「オンラインライセンス」も同時起動不可?
実際、バーチャルゲームカードを別の本体にセットし直すと、元の本体からは使用できなくなります。
さらに、オンラインライセンス機能を使った場合でも、2台での同時起動は制限されており、起動時にエラーコード「2819-0003」が表示されるなどの不具合が確認されています。
この変更により、「同じゲームを家族で同時に楽しみたい」というニーズに対して追加購入が必要となるケースが増えており、ユーザーからは「改悪」との声も上がっています。
無料ソフトや新機能との違い
無料ソフトである『フォートナイト』などでは、別ユーザーが同じソフトを再ダウンロードすることで対応できる場合がありますが、有料タイトルではこの方法は使えず、実質的に2本購入するしかない状況です。
加えて、新たに導入された「おすそわけ通信」は、Switch 2専用の機能となっており、現行Switch同士では利用できません。
まとめ|バーチャルゲームカードがもたらす変化と課題
バーチャルゲームカードの登場によって、ダウンロードソフトの管理はよりスマートになり、複数本体の運用や家族間での共有が現実的になりました。
一方で、これまで利用されていた“1本のソフトでの同時プレイ”という使い方は制限され、ゲームの共有方法が見直しを迫られています。
この仕様変更が今後のハード展開(Switch 2など)を見据えたものであるのか、それともライセンス管理や不正利用の抑止を目的としたものかは不明ですが、ユーザーからの声をもとに改善が行われることも十分考えられます。
これからのSwitch環境がどう進化していくのか、そして私たちがどのようにゲームと向き合っていくのか――その両面で変化の時を迎えているのは間違いありません。
今後も新しい情報や活用法が見つかれば、ぜひ共有していきましょう!