人気FPSシリーズの最新作『バトルフィールド6(BF6)』では、最先端の映像技術として知られる“レイトレーシング”が実装されていません。
その理由が明らかになったのは、海外メディア ComicBook が開発陣へのインタビュー内容を報じたことによります。
これまで『バトルフィールド』シリーズは、光や影の表現を追求し、映像面でも業界をリードしてきました。
にもかかわらず、今作ではレイトレーシングを採用しないという大胆な選択がなされました。
一見すると意外にも思える判断ですが、そこには「グラフィック表現よりもプレイ体験の安定性を優先する」という明確な方針があったのです。
開発チームは、派手な見た目を追求することよりも、多くのプレイヤーが快適に遊べる環境を整えることに力を注ぎました。
特にマルチプレイ対戦が主軸となる本作では、フレームレートやレスポンスの滑らかさこそがプレイヤーにとって最大の価値であり、そのために早い段階でレイトレーシングを切り捨てる決断を下したのです。
開発者が語る「レイトレーシング非採用」の真意
Ripple Effect Studiosでテクニカルディレクターを務めるChristian Buhl氏は、海外メディア ComicBook の取材に応じ、『バトルフィールド6』におけるレイトレーシング非対応の理由を明かしました。
「『バトルフィールド6』のリリース時点でレイトレーシングを導入する予定はなく、近い将来に実装する計画も存在しません。我々が最も重視したのは“パフォーマンスの安定性”です。特に標準設定の状態で、幅広いユーザーが快適にプレイできることを第一に考え、徹底的に最適化を行ってきました。」
Buhl氏の言葉からも分かるように、開発チームは早い段階から「映像表現の進化」よりも「快適なゲーム体験の保証」を優先する方針を固めていました。
派手なビジュアル演出よりも、安定した動作環境を確実に提供することがプレイヤーにとって最も価値があると判断したのです。
そのため、映画的な映像表現を楽しみにしているユーザーにとっては、やや物足りなさを感じる部分があるかもしれません。
しかし、『バトルフィールド6』の真の魅力は、シリーズの伝統でもある大規模なマルチプレイ戦闘にあります。
ここではビジュアルの豪華さよりも、高フレームレートの維持や応答速度の速さが勝敗を分ける大きな要素となるのです。
ComicBookも記事の中で「開発チームがプレイヤーの立場を意識し、綿密な計画のもとで判断を下した姿勢は高く評価できる」とまとめています。
つまり、この選択は“制約”ではなく、むしろ“最適解”として捉えるべきものだと言えるでしょう。
マルチプレイ重視の決断と発売スケジュール
Buhl氏の発言から読み取れるのは、『バトルフィールド6』においてレイトレーシングが導入される見込みは現時点でほとんどない、という事実です。
少なくとも発売直後、さらには数年以内に実装される可能性も低いと見られています。
開発陣が最も重視したのは、映像の派手さではなく、「プレイ中の安定した動作と応答性」でした。
特に対戦型FPSにおいては、わずか1フレームの遅延が勝敗を左右することも珍しくありません。
美しいグラフィックを優先するあまり処理が重くなり、フレームレートが不安定になってしまえば、本来楽しめるはずの緊張感ある戦闘体験は台無しになってしまいます。
だからこそ開発チームは、“リアルな光の表現”よりも“快適な操作感”を選び取ったのです。この判断は、日常的にマルチプレイを楽しむゲーマーにとって歓迎すべきものだと言えるでしょう。
実際、オンラインFPSをプレイした経験がある人なら「設定の違いで動作の軽さや快適さが大きく変わる」という状況を体験したことがあるはずです。
過去には、最適化不足によりフレームレートが伸びず、思うように戦えなかったという苦い思い出を抱えている人も少なくありません。
そうした背景を考えると、今回の方針は多くのプレイヤーに安心感を与える決断だといえるでしょう。
そして気になる発売日は、日本時間で2025年10月11日午前0時。対応プラットフォームは PC(Steam / Epic Games Store / EA app)、PlayStation 5、そしてXbox Series X|S と、現行世代機を中心に展開されます。
今後発売日が近づくにつれて、さらに詳細な仕様やアップデート情報が発表される見込みであり、続報に注目が集まります。
まとめ
『バトルフィールド6』がレイトレーシングを採用しないという判断は、一見するとグラフィック重視の流れに逆行しているように思えるかもしれません。
しかし、その背景には「プレイヤーが快適に遊べる環境を最優先にする」という明確な意図がありました。
特にマルチプレイを主軸とする本作では、映像の豪華さよりも滑らかな動作や応答速度がゲーム体験に直結します。
結果として、この選択は多くのプレイヤーにとってプラスに働く可能性が高いといえるでしょう。
発売日は2025年10月11日。対応プラットフォームはPC、PS5、Xbox Series X|Sと、現行世代機の主要環境が揃っています。
今後公開されるであろう追加情報やアップデートの詳細にも注目しつつ、発売日を待ちたいところです。